SMと健康障害について書いてあるサイトが少ないといいながら1回しか投稿していませんでした。膣や肛門の拡張訓練に関する事を書きたいと思います。ちなみに写真右下は「子宮脱」といって膣から子宮が脱出している様子です。左下には身体の横から見た説明図です。子宮が脱出するのに伴い、前後の膀胱や腸も下降しており、排尿・排便障害を伴います。こうなってしまうと手術により治療を行う必要があります。
拡張訓練、特にアナルに関しては通常では性交に用いない部位であり、パートナーが受け入れられるように訓練を施すことは精神的な面からもSとして調教し甲斐がある項目です。
時には相当な拡張を行っている方もいるようで、body modification の領域と思われるようなすごいものもあります。
しかし、このプレーは骨盤の底を支えている骨盤底筋群を破壊している可能性があり、将来パートナーが高齢になった時に子宮脱となる誘因となります。図には下の方から骨盤底筋群を見上げた解剖図がありますが薄い筋肉が幾重にも折り重なっているのが分かると思います。人間は直立して歩行する動物なのでこの骨盤底には内臓の重みがいつもかかることになります。若い時は筋力があるので多少の負荷には耐えますが、閉経により女性ホルモンの分泌が低下し筋力も低下するに従い、弱い部分から内臓脱出が起きることがあります。 男性ではめったにありませんが女性は出産時に赤ちゃんの頭(直径約10cm)で骨盤底筋が押し広げられるので脆弱な部位となる訳です。
子宮脱のリスク因子としてはお産を何回かしていることや、腹圧がかかりやすい人(便秘や力仕事)があげられています。
当然教科書には書いてありませんが、拡張訓練を過度に行っている場合もリスクがかなり高いということになります。
整形外科的な健康障害は受傷後すぐに症状が出るので、経験として蓄積することが可能です。しかし、骨盤底筋への侵襲は随分後になってから非可逆的な症状が出てしまう点で気をつけるべき障害です。
パートナーの将来の健康を考えてあげるのも重要な事だと思います。
テーマ:SM - ジャンル:アダルト
- この記事のURL 2007/01/14(日) 15:26:50|
- SMと健康障害
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おはようございます。
とても興味深い記事を、ありがとうございます。
私がこちらのブログを訪問させていただいたきっかけも、まさにこの「SMと健康障害」のカテゴリーによるものでした。
パートナーとの付き合いが長くなると、どうしても行為そのものはエスカレートする傾向は避けられません。
私自身はとても慎重で怖がりなので、常に心のどこかで、考えています。「これやって、大丈夫な?」って(笑)
でも、現実にはその疑問を持って行き所がない。
情報が決定的に不足していて、正しい判断ができないでいます。
その意味で、genomic2pさんのブログは、とても助けになります。
ぜひ、また、書いてくださいね^^
- 2007/01/17(水) 08:53:55 |
- URL |
- プラタナス #1bkUGJEw
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こんばんは、教育委員会的に「危ないからやめましょう」というのでは線香花火も出来なくなってしまいますよね。 コメントを頂いて考えたのですが、あえて頂上をめざす同好の方のサポートが自分なりに出来ればと思っています。SMに限らず性行為に関するトラブルの解決をお手伝いする機会が多々あるからです。どれくらいお役にたてるか分かりませんし、反響もないかもしれませんが試験的に相談受付をしてみようかと思います。
- 2007/01/18(木) 00:07:54 |
- URL |
- genomic2p #-
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