クネクネしているうちに不覚にも眠ってしまったらしい・・・ 隣に寝ているはずの彼女に手を伸ばしたが・・・「あれっ?いない?」 かわりに手に触れたのはホテルのメモ用紙・・・・
「苦手な口奉仕させておきながら寝入ってしまうとはほとほと呆れはてました(怒)」 ええっ? そうだっけ? 確かに気持ちの良い刺激で体の力がぬけちゃうことあるんだよね・・・ ・・・・が、次の行に
「いつまでも従順なM女でいるのも馬鹿馬鹿しくなってきたので、ちょっと悪戯させていただきました・・・」 ぎょっ? 悪戯・・・って碌なことじゃないでしょ・・・・、じとーっと嫌な汗が・・・・
喉が渇いていることを思い出しサイドテーブルの缶ビールに手を伸ばすと・・・そこにもメモ用紙が・・・
「仕様説明書」・・・の文字の下になんだかいろいろ書いてある・・・
要約すると寝こけている間に何かを体に埋め込まれたらしい・・・ そのチップはSMに興味のある女性に近寄ると強度のどうしようもないM男として振る舞ってしまうプログラムが入っているのだそうだ・・・ 頭は正気なのに口ではその女性を女王様と崇め、ズボンとパンツを下して尻毛の生えた小汚い臀部を突き出して涎を垂らしながら罵倒を求めてしまう・・・・何なんだこの恐ろしい仕掛けは・・・・・
情けないことに、相手が本当のS女王様なら納得できるが (何故???) M女さんがそばに来ても同じ行動を強制的にとってしまうのだ・・・・
あー・・・数十年かけて築き上げてきた(・・と思っている) Sオトコとしてのプライドが・・・・眩暈を感じながら仕様説明書を読み進めると・・・・
「スケベなあなたのために救われる方法も用意しました。」・・・ と書いてある
一生SMに興味のある女性に近づけないなんて悲しすぎる・・・救われるなら何でもします!「私が横にいる時はS女王様やM女さんが近づいても、すかした御主人様づら下げて涼しい顔していられます」えー・・・、すかした御主人様づらしている気はないのだが、そういったことなら素直に反省するしかない・・・・(とほほ・・)
・・・・が、事はそんなには単純ではなかった・・・
普段は良からぬ物を色々なところに突っ込まれて
「ひーっ!」 とか
「イグーっ!」とか、けちょんけちょんな目にあっているM女さんたちの集団バレンタイン攻勢だったのだ・・・・
首都圏にも雪が積もったある日、彼女からメールが届いた・・・
「オフ会の話がありますけど御都合はいかがですか?」凶悪な悪戯をしたことなど無かったようなしおらしい文面だ、つい調子に乗って
「その日は何とかなりそうだけど、麗しいM女さん方も参加するんだろうな?」 などと返信すると
「ええ、大丈夫です・・・私が横についていますから・・・」えっ? ・・・・瞬間、自分の分際が嫌な重みと共にこみあげてくる・・・・
当日彼女と共に会場におもむくと、エレベーターホールにはHさん、Kさん Mさん、Pさんのカップルさんが・・・
会場はエレベーターで最上階に上がったところにある隠れ家風個室レストラン・・・他の客と一緒にならないように専用エレベーターが用意されているらしい・・・ すごいね・・・ もしかして個室内であれこれやっても怒られないの??
・・・が、皆エレベーターを前に立ちすくんでいる・・・・心なしか普段は余裕綽々の男性軍団の表情が硬いような気もする・・
「どうしたの、いきましょうよ!」・・・とボタンを押しドアを開けると、エレベーター内には信じられない注意書きが・・・・
「このえろべーたーは定員2名です。しかも乗っている方がボタンを押し続けないと動きません。ご不便をおかけして申し訳ありません」 えろべーたー、 って昭和のダジャレでしょ・・・・ん? どうやって会場にたどり着く?
重症Mオトコ発動プログラムチップを埋め込まれてしまった誇り高きSオトコ軍団の運命はいかに・・・・・
- この記事のURL 2015/02/05(木) 21:38:58|
- 変譚
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